赶集(gǎnjí ガンジー)(張韶老師の二胡講座、上巻、54p)
赶集(gǎnjí ガンジー)(張韶老師の二胡講座、上巻、54p)
曽加慶の1960年代の作。「赶集」は繁体字だと「趕集」になるので、本書ではその表記にしている。
中国語の辞書では
・赶集:市(いち)へ行く。(小学館『中日辞典』)
・赶集:市へ(物の売り買いに)へ行く:地方によっては「赶场 gǎncháng」「赶圩 gǎnxū」(東方書店『東方中国語辞典中日辞典』)
とあり、東方の説明の方が親切なかんじ。
この曲の場合は、市場に布靴を売りに来た王三姐が歌っているという設定。
●蒋巽風(蒋風之の息子)
蒋巽風は上海之春二胡コンクールで閔惠芬とともに一等賞となった。また、この曲の演奏によって、「新作品演奏優秀賞」の7名のうちの一人にも選ばれた。
●宋飛
ちなみに、上記の「上海之春」二胡コンクールでは、宋飛の父の宋国生が出場し、三等賞を受賞した。
●もとの民謡「王三姐赶集」の歌詞(画像)
いろんな譜面があるが、最初の画像をみると、男性と女性の掛け合いだと言うことが分かる。最後の4小節のところの「男问」のところはセリフになっている。
リンク先の譜面には書いていないが、『中国经典民歌鉴赏指南:上』159pの解説によると、この歌詞はもとの民謡のものではなく、1950年代に新たな婚姻制度を宣伝するためにつけられたものらしい。
こう見ると、曽加慶がこの民謡をかなり膨らませて二胡ソロ曲にしたのがうかがえよう。なお、二胡曲の快板のところはこの主題の変奏になっている。
●「赶集」のもとになった民謡「王三姐赶集」。
この動画では、歌詞が↑の譜面と少し違ったり、途中から3拍子になったりするが、もとの民謡の「女性歌う→男性セリフ」という掛け合いの感じがうかがえる(1:00~あたりで男性が話しかける)。
なお本書(『張韶老師の二胡講座』上巻)136pに民謡の出だしの譜面が掲載されている